喫煙者の低線量CT肺がん検診、NELSON試験も死亡率低下示す
Reduced Lung-Cancer Mortality with Volume CT Screening in a Randomized Trial
背景
低線量CTを用いた高リスク者での肺がん検診は死亡率を低下させることが、複数のランダム化比較試験で示されている。オランダErasmus MC-University Medical Center Rotterdamのde Koningらは、50〜74歳の現在喫煙者・元喫煙者(男性13,195名、女性2,594名)を、ベースライン年・1年目・3年目・5.5年目の低線量CT検診または検診なしに割り付けるランダム化比較試験NELSONを実施した。
結論
男性のCT検診遵守率は平均90.0%であった。CT再検査率は平均9.2%、疑わしい陰影による紹介率は2.1%であった。10年のフォローアップ期間で、肺がん発症率は、検診群で1000人年あたり5.58件、対照群で4.91件であり、肺がん死亡率は、それぞれ2.50件、3.30件であった。10年累積肺がん死亡率比は0.76と、検診群で死亡率の低下が確認された。女性参加者での10年死亡率比は0.67であった。
評価
アメリカNLST試験に次ぐ大規模試験で、低線量CTが喫煙者の肺がん死亡を予防することを確認した。日本でのCT肺がん検診の位置づけは、現在も任意型検診のままである。