mCRPCでの至適治療シークエンス、エンザルタミドが先かアビラテロンが先か
Optimal sequencing of enzalutamide and abiraterone acetate plus prednisone in metastatic castration-resistant prostate cancer: a multicentre, randomised, open-label, phase 2, crossover trial
背景
エンザルタミドとアビラテロンは、ともに転移性去勢抵抗性前立腺癌(mCRPC)での標準治療として確立されているが、至適な治療シークエンスは不明である。カナダBC CancerのKhalafらは、新規診断mCRPC患者を、PSA進行が見られるまでアビラテロン+プレドニゾン、進行後にエンザルタミドにクロスオーバー、またはその逆シークエンスに割り付ける第2相ランダム化比較試験を実施した(n=202)。
結論
2度目のPSA進行までの時間は、アビラテロン先行群19.3ヵ月、エンザルタミド先行群15.2ヵ月と、アビラテロン先行で有意に延長した(ハザード比0.66)。クロスオーバー治療へのPSA奏効は、アビラテロン先行群でのエンザルタミドで36%、エンザルタミド先行群でのアビラテロンでは4%しか見られなかった。
評価
新規薬剤が多く登場しているmCRPCでの治療シークエンスについては、CARD試験(http://doi.org/10.1056/NEJMoa1911206)やPROREPAIR-Bコホート研究でも検討されてきた。抗アンドロゲン薬の順序を検証した本RCTでは、アビラテロン・エンザルタミドの順が優ることが初めて示された。