EGFR変異肺がんでのラムシルマブを用いたEGFR・VEGF二重阻害:第3相RELAY試験
Ramucirumab plus erlotinib in patients with untreated, EGFR-mutated, advanced non-small-cell lung cancer (RELAY): a randomised, double-blind, placebo-controlled, phase 3 trial
背景
EGFR遺伝子変異のある非小細胞肺がん(NSCLC)では、EGFR TKI単剤による治療が一般的だが、VEGF経路阻害との組み合わせも検討されている。Kindai University Faculty of Medicine(近畿大学医学部)のNakagawaらは、EGFR変異NSCLC患者の初回治療として、エルロチニブ+ラムシルマブまたはエルロチニブ+プラセボを割り付ける第3相ランダム化比較試験RELAYを実施した(n=449)。
結論
フォローアップ期間中央値20.7ヵ月で無増悪生存期間は、ラムシルマブ群19.4ヵ月、プラセボ群12.4ヵ月と、二剤併用群で有意に延長した(ハザード比0.59)。グレード3・4の治療関連有害事象は、ラムシルマブ群の72%、プラセボ群の54%で報告された。治療関連重篤有害事象はそれぞれ29%、21%で報告された。また二剤併用群の1名が治療関連死した。
評価
ベバシズマブとの併用に続いて(https://doi.org/10.1016/S1470-2045(19)30035-X)、ラムシルマブとの組み合わせでもPFS延長を示し、新たなオプションとして加わることになろう。第三世代EGFR TKIオシメルチニブとラムシルマブの併用もすでに検証が始まっている。