閉経後女性でのアナストロゾール乳がん予防の効果は長期的:IBIS-II試験の長期結果
Use of anastrozole for breast cancer prevention (IBIS-II): long-term results of a randomised controlled trial
背景
IBIS-II試験は、40〜70歳の乳がんリスクが高い閉経後女性(n=3,864)で、5年間の経口アナストロゾールまたはプラセボを割り付ける多国籍ランダム化比較試験であり、アナストロゾール群で乳がん発症が減少することを示している。イギリスQueen Mary University LondonのCuzickらは、同試験における長期結果を公表した。
結論
フォローアップ期間中央値131ヵ月時点で、アナストロゾール群で49%乳がんが減少した(ハザード比0.51)。乳がんの減少は最初5年で大きかったものの(0.39)、その後の5年でも持続していた(0.64)。浸潤性ER陽性乳がんは54%減少し、DCISは59%減少した。乳がん死亡に群間差はなかった(ハザード比0.96)。また、乳がん以外のがんもアナストロゾール群で減少した(0.72)。
評価
治療期間の終了後にもアナストロゾールの乳がん予防効果が持続することを実証した。死亡率への効果を示すためにはより長期のフォローアップが必要とみられる。