閉経後女性でのアナストロゾール乳がん予防の効果は長期的:IBIS-II試験の長期結果
Use of anastrozole for breast cancer prevention (IBIS-II): long-term results of a randomised controlled trial

カテゴリー
がん
ジャーナル名
The Lancet
年月
December 2019
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開始ページ
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背景

IBIS-II試験は、40〜70歳の乳がんリスクが高い閉経後女性(n=3,864)で、5年間の経口アナストロゾールまたはプラセボを割り付ける多国籍ランダム化比較試験であり、アナストロゾール群で乳がん発症が減少することを示している。イギリスQueen Mary University LondonのCuzickらは、同試験における長期結果を公表した。

結論

フォローアップ期間中央値131ヵ月時点で、アナストロゾール群で49%乳がんが減少した(ハザード比0.51)。乳がんの減少は最初5年で大きかったものの(0.39)、その後の5年でも持続していた(0.64)。浸潤性ER陽性乳がんは54%減少し、DCISは59%減少した。乳がん死亡に群間差はなかった(ハザード比0.96)。また、乳がん以外のがんもアナストロゾール群で減少した(0.72)。

評価

治療期間の終了後にもアナストロゾールの乳がん予防効果が持続することを実証した。死亡率への効果を示すためにはより長期のフォローアップが必要とみられる。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(がん)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Journal of Clinical Oncology (JCO)、Journal of the National Cancer Institute(JNCI)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、Cancer Research (Cancer Res)