乳がん患者のリンパ浮腫、運動・ダイエットプログラムに効果はあるか?:WISER試験
Effect of Home-Based Exercise and Weight Loss Programs on Breast Cancer-Related Lymphedema Outcomes Among Overweight Breast Cancer Survivors: The WISER Survivor Randomized Clinical Trial
背景
乳がん患者は腋窩リンパ節郭清や放射線治療などにより高確率でリンパ浮腫を経験し、過体重はこのリスク因子として知られる。Pennsylvania State College of MedicineのSchmitzらは、過体重で乳がん関連リンパ浮腫を有するサバイバーを、52週間の家庭ベースの運動プログラム、食事の改善とライフスタイル・カウンセリングからなる減量プログラムに2×2で割り付けるランダム化比較試験を実施した(n=351)。
結論
参加者は、乳がん診断から中央値6年経過していた。12ヵ月間のClinical Lymphedema Evaluation of the Upper Extremityスコアの変化は、対照群−1.40、運動プログラム群−2.54、減量プログラム群−3.54、併用群−3.84で差はなかった。体重減少は、対照群−0.55%、運動群−0.44%、減量群−7.37%、併用群−8.06%であり、減量プログラムで有意な体重減少が見られた。
評価
同著者らによる施設ベースの先行研究(http://doi.org/10.1056/NEJMoa0810118)に反して、家庭ベースの運動の推奨、減量の指導、さらにこれらによる体重減少もリンパ浮腫を改善するには至らなかった。著者はMedscapeの記事中で、減量指導が "fat shaming" につながる可能性に注意を促している。