卵巣がん初回dose-dense TC療法、ヨーロッパ人では効果なし:ICON8試験
Weekly dose-dense chemotherapy in first-line epithelial ovarian, fallopian tube, or primary peritoneal carcinoma treatment (ICON8): primary progression free survival analysis results from a GCIG phase 3 randomised controlled trial
背景
卵巣がん初回化学療法の標準はカルボプラチン・パクリタキセルを3週に一度に投与するものだが(TC療法)、日本で行われたJGOG3016試験ではパクリタキセルを毎週投与するdose-dense TC療法により生存期間が改善した。イギリスUniversity of ManchesterのClampらは、ヨーロッパを中心とする多国籍の新規診断上皮性卵巣がん患者に対し、3週ごとのカルボプラチン・パクリタキセル(グループ1)、3週ごとのカルボプラチンと毎週のパクリタキセル(グループ2)、毎週のカルボプラチン・パクリタキセル(グループ3)を割り付ける第3相ランダム化比較試験ICON8を実施した(n=1,566)。
結論
Restricted Mean Survival Timeはグループ1で24.4ヵ月、グループ2で24.9ヵ月、グループ3で25.3ヵ月、無増悪生存期間はそれぞれ17.7ヵ月、20.8ヵ月、21.0ヵ月と、いずれのレジメンでも有意な改善は示されなかった。グレード3・4の有害事象は、毎週投与を行ったグループで増加した。
評価
日本で行われたJGOG3016試験(https://doi.org/10.1016/S0140-6736(09)61157-0)とは反対に、dd TC療法はPFSを延長しなかった。この違いは試験の人種差による可能性があり、日本で引き続きdd TC療法を推奨することは合理的である。