進行がん脊髄圧迫に対する放射線治療、単回照射の非劣性示せず:SCORAD試験
Effect of Single-Fraction vs Multifraction Radiotherapy on Ambulatory Status Among Patients With Spinal Canal Compression From Metastatic Cancer: The SCORAD Randomized Clinical Trial

カテゴリー
がん
ジャーナル名
The Journal of the American Medical Association
年月
December 2019
322
開始ページ
2084

背景

悪性腫瘍による脊髄圧迫では放射線療法が一般的に行われるが、最良の線量・回数については模索が続いている。イギリスMount Vernon Cancer CentreのHoskinらは、脊髄圧迫・馬尾圧迫を有する転移がん患者を対象に、単回8Gyの放射線療法の20Gy/5日に対する非劣性を検証する多施設ランダム化比較試験を実施した(n=686)。

結論

8週目の評価時点までに255名が死亡し、評価が行われたのは49.8%であった。歩行状態がグレード1・2であった患者の割合は単回照射群69.3%、複数回照射群72.7%であり、非劣性基準を満たさなかった。両群の差は、1週目時点で−0.4%、4週目−0.7%、12週目4.1%であり、いずれも非劣性マージン内であった。12週生存率は単回照射群50%、複数回照射群55%であった。

評価

一次アウトカムである8週目の歩行機能は非劣性基準を満たさなかったものの、両群の差は小さく、患者にとっての利便性を考えれば単回照射も十分説得的なオプションと見なせるかも知れない。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(がん)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Journal of Clinical Oncology (JCO)、Journal of the National Cancer Institute(JNCI)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、Cancer Research (Cancer Res)