赤身肉・加工肉の摂取を控えてもがん死亡はほとんど減らない:メタ解析
Reduction of Red and Processed Meat Intake and Cancer Mortality and Incidence: A Systematic Review and Meta-analysis of Cohort Studies
背景
赤身肉・加工肉の摂取はがんリスクとの相関が示唆されており、複数のガイドラインで摂取の制限が推奨されている。韓国Chosun UniversityのHanらは、システマティックレビューにより成人1000人以上を対象に赤身肉・加工肉とがん罹患・死亡との関連を調査したコホート研究を特定、メタアナリシスを行った。
結論
600万人以上の参加者からなる56コホート、118報の研究が基準を満たした。未加工肉の摂取を週3皿減らすと生涯全がん死亡がごく僅かに減少する(エビデンスの確実性は低い)。加工肉の摂取を週3皿減らすと生涯全がん死亡、前立腺がん死亡、食道・大腸・乳がん罹患がごく僅かに減少する(エビデンスの確実性は低いか非常に低い)。
評価
肉の摂取を減らすことは、がん死亡リスクにほとんど影響を与えなかった。食生活によるがんを予防を目指す場合、肉は優先すべきターゲットではないと考えられる。NutriRECSは、5つのシステマティックレビューに基づいて、「成人は現在の赤身肉・加工肉の摂取レベルを続けることが弱推奨」とする新ガイドラインを推奨している(http://doi.org/10.7326/M19-1621)。