大腸腺腫の摘除後サーベイランスは高強度の方が良い:費用対効果解析
High-Intensity Versus Low-Intensity Surveillance for Patients With Colorectal Adenomas: A Cost-Effectiveness Analysis
背景
大腸がん検診で腺腫が発見され摘除を受けた患者での、至適なサーベイランス期間についてはなお論争的である。オランダErasmus MC University Medical CenterのMeesterらは、アメリカがんレジストリの、大腸がん検診後に低リスク腺腫または高リスク腺腫の摘除を受けた50、60、70歳の患者集団におけるマイクロシミュレーションモデル研究により、サーベイランス強度による生涯ベネフィット・コストを比較した。
結論
サーベイランスなしの場合、50歳患者の生涯大腸がんリスクは低リスク腺腫患者で10.9%、高リスク患者では17.2%であった。内視鏡検診、低強度サーベイランス(低リスクでは10年後、高リスクで5年後)、高強度サーベイランス(低リスクでは5年後、高リスクで3年後)は、大腸がん発症をそれぞれ39%、46%-48%、55%-56%低下させた。高強度サーベイランスのコストは、低強度サーベイランスと比してQALYあたり3万ドル未満であった。
評価
この問題を検証するため、ヨーロッパで大規模試験EPoSが行われているが(NCT02319928)、結果の判明には時間を要する。本研究は、最長20年のフォローアップ期間を持つレジストリのデータを用いて、高強度サーベイランスが費用効率的であることを示した。