集中化学療法中の若年AMLでの真菌症予防はカスポファンギン
Effect of Caspofungin vs Fluconazole Prophylaxis on Invasive Fungal Disease Among Children and Young Adults With Acute Myeloid Leukemia: A Randomized Clinical Trial
背景
急性骨髄性白血病(AML)での化学療法中には、好中球数が減少し侵襲性真菌感染症のリスクが増大するため、抗真菌薬の予防的投与が一般に行われる。Children’s Hospital of PhiladelphiaのFisherらは、アメリカ・カナダの3ヵ月〜30歳のAML患者を対象として、化学療法中の好中球減少時にカスポファンギンまたはフルコナゾールを予防的に投与する多施設ランダム化比較試験を実施した。
結論
事前に計画されていない中間解析において無益性が示唆されたため、517名が登録されたあと募集が打ち切られた。5ヵ月間の累積侵襲性真菌症発生率はカスポファンギン群3.1%、フルコナゾール7.2%であった。侵襲性アスペルギルス症の発生率は0.5%、3.1%であった。経験的抗真菌治療(71.9% vs. 69.5%)、2年全生存率(68.8% vs. 70.8%)に差はなかった。
評価
小児・若年AMLでの予防的抗真菌薬の選択についてはデータが不足していたが、この試験では標準的なフルコナゾールに対するカスポファンギンの優位が示された。