EGFR変異型と免疫チェックポイント阻害薬の有効性との関連は
EGFR mutation subtypes and response to immune checkpoint blockade treatment in non-small-cell lung cancer
背景
上皮成長因子受容体(EGFR)遺伝子の変異を有する肺がんは一般にEGFRチロシンキナーゼ阻害薬に感受的であるが、免疫チェックポイント阻害薬の奏効率は低い。Yale Cancer CenterのHastingsらは、免疫チェックポイント阻害薬による治療を受けたEGFR変異肺がん患者171例と、シーケンシングデータが利用可能であったEGFR変異肺がんコホート383例において、EGFR変異型と免疫チェックポイント阻害薬への奏効との関連を検討した。
結論
EGFR野生型肺がんと比して、EGFRエクソン19変異ではPD-(L)1阻害のアウトカムが不良で、EGFR L858R変異患者では同等であった。EGFR T790M変異とPD-L1発現状態は、奏効・アウトカムに影響しなかった。エクソン19変異を有する腫瘍は、L858R変異腫瘍よりも腫瘍変異負荷が低かった。
評価
過去最大のコホートで、EFGR変異型とチェックポイント阻害アウトカムとの関連を検討し、EGFR-TKI耐性後の治療選択にむけた重要な情報をもたらした。特にTMBが高いL858R変異患者では野生型と同程度のベネフィットが示され、さらなる検証に期待が持たれる。