リンパ節陰性の頸部で術後放射線は省略可能か
Eliminating Postoperative Radiation to the Pathologically Node-Negative Neck: Long-Term Results of a Prospective Phase II Study
背景
術後放射線治療は頭頸部がん治療の重要な一部であるが、QOLの低下を引き起こす。Washington UniversityのContrerasらは、外科的切除と同側頸部郭清を行った高リスクのPN0頭頸部扁平上皮がんで、術後放射線治療が省略可能かを検証する第2相試験を実施した(n=73)。
結論
93%がステージIIIまたはIVで、71%が正中線を越えた腫瘍であった。24%の患者では原発巣への治療が行われた。フォローアップ期間中央値53ヵ月で、非照射頸部の制御率は97%であった。9名が原発巣の局所制御失敗、制御失敗までの期間は中央値16.1ヵ月であった。5年局所制御率は84%、無増悪生存率は60%、全生存率は64%であった。12ヵ月時点・24ヵ月時点のQOLはベースライン値と変わらなかった。
評価
PN0頸部への術後放射線を省略することで、高い局所制御率を達成しつつQOLを維持できることを示し、ランダム化比較試験にむけた重要なステップを踏んだ。