リンパ節陰性の頸部で術後放射線は省略可能か
Eliminating Postoperative Radiation to the Pathologically Node-Negative Neck: Long-Term Results of a Prospective Phase II Study

カテゴリー
がん
ジャーナル名
Journal of Clinical Oncology
年月
October 2019
37
開始ページ
2548

背景

術後放射線治療は頭頸部がん治療の重要な一部であるが、QOLの低下を引き起こす。Washington UniversityのContrerasらは、外科的切除と同側頸部郭清を行った高リスクのPN0頭頸部扁平上皮がんで、術後放射線治療が省略可能かを検証する第2相試験を実施した(n=73)。

結論

93%がステージIIIまたはIVで、71%が正中線を越えた腫瘍であった。24%の患者では原発巣への治療が行われた。フォローアップ期間中央値53ヵ月で、非照射頸部の制御率は97%であった。9名が原発巣の局所制御失敗、制御失敗までの期間は中央値16.1ヵ月であった。5年局所制御率は84%、無増悪生存率は60%、全生存率は64%であった。12ヵ月時点・24ヵ月時点のQOLはベースライン値と変わらなかった。

評価

PN0頸部への術後放射線を省略することで、高い局所制御率を達成しつつQOLを維持できることを示し、ランダム化比較試験にむけた重要なステップを踏んだ。

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取り上げる主なジャーナル(がん)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Journal of Clinical Oncology (JCO)、Journal of the National Cancer Institute(JNCI)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、Cancer Research (Cancer Res)