irAEで中止された免疫チェックポイント阻害治療、再チャレンジは可能か
Evaluation of Readministration of Immune Checkpoint Inhibitors After Immune-Related Adverse Events in Patients With Cancer

カテゴリー
がん
ジャーナル名
JAMA Oncology
年月
June 2019
5
開始ページ
1310

背景

免疫チェックポイント阻害薬では免疫関連有害事象(irAE)がしばしばみられ、グレード2以上のirAEでは治療が中止される場合もある。フランスGustave RoussyのSimonaggioらは、PD-1・PD-L1阻害治療中にグレード2以上のirAEを経験した患者で、PD-1・PD-L1阻害薬再開の安全性を評価した(n=93)。

結論

メラノーマ(33%)、肺がん(16%)、大腸がん(9%)、白血病(9%)などが含まれた。有害事象のグレードは、グレード2が46%、グレード3が39%、グレード4が15%であった。このうち40名が同一薬剤の再使用を受け、14ヶ月間のフォローアップで22名(55%)でirAEが発生した。初回irAEまでの期間が短い患者では、再使用時のirAE発生率が高かった。再使用時のirAEは、初回のirAEよりも重度ではなかった。

評価

免疫チェックポイント阻害薬再チャレンジ時のirAEは重度ではなく、適切なモニタリングが行われているならば許容可能とみられたが、より大規模な前向研究で確証される必要がある。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(がん)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Journal of Clinical Oncology (JCO)、Journal of the National Cancer Institute(JNCI)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、Cancer Research (Cancer Res)