進行卵巣がんの導入療法と維持療法でPARP阻害剤を使う:VELIA試験
Veliparib with First-Line Chemotherapy and as Maintenance Therapy in Ovarian Cancer
背景
PARP阻害剤は進行卵巣がんの維持療法として有効性を示しているが、初回化学療法との組み合わせはどうか。University of Texas M.D. Anderson Cancer CenterのColemanらは、ステージIII・IVの漿液性卵巣がん患者を、化学療法後のプラセボ維持療法(対照群)、化学療法+veliparib後のプラセボ維持療法(veliparib併用群)、化学療法+veliparib後のveliparib維持療法(連続veliparib群)に1:1:1で割り付ける第3相ランダム化比較試験VELIAを実施した(n=1,140)。
結論
BRCA変異コホートの無増悪生存期間は、連続veliparib群で34.7ヵ月で、対照群では22.0ヵ月であった(ハザード比0.44)。HRD陽性コホートではそれぞれ31.9ヵ月、20.5ヵ月(ハザード比0.57)、ITT集団では23.5ヵ月、17.3ヵ月であった(0.68)。
評価
化学療法と維持療法の双方にveliparibを追加することでPFSを大きく延長したが、維持療法にveliparibを用いなかった患者ではベネフィットは明確でなかった。ESMO 2019では他に、オラパリブ+ベバシズマブ維持療法のPAOLA-1試験、niraparib維持療法のPRIMA試験も発表されている。