転移去勢抵抗性前立腺がんのサードラインにカバジタキセル:CARD試験
Cabazitaxel versus Abiraterone or Enzalutamide in Metastatic Prostate Cancer
背景
転移を有する去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)のファーストラインではドセタキセルなどの化学療法やアビラテロン・エンザルタミドなどのアンドロゲン経路標的阻害薬(ASTi)が有効性を示している。オランダErasmus Medical Centerのde Witらは、ドセタキセルと抗アンドロゲン薬(アビラテロンまたはエンザルタミド)による治療歴を有するmCRPC患者に、カバジタキセルまたはASTi(アビラテロン・エンザルタミドの以前に投与されいていない方)を割り付けるランダム化比較試験CARDを実施した(n=255)。
結論
画像診断に基づいた無増悪生存期間はカバジタキセル群8.0ヶ月、ASTi群3.7ヶ月であった(ハザード比0.54)。全生存期間はそれぞれ13.6ヶ月、11.0ヶ月であった(0.64)。PSA奏効率はカバジタキセル群35.7%、ASTi群13.5%、腫瘍奏効はそれぞれ36.5%、11.5%であった。グレード3以上の有害事象は両群で同等であり、新たな安全性シグナルはなかった。
評価
mCRPCには新たな薬剤が多く登場しており、至適な逐次治療も検討が続いている。この試験は、ASTi後のmCRPCサードライン治療において別のASTiを続けるよりもカバジタキセルが優れることを示した。