BRAF変異大腸がんでのEncorafenib・Binimetinib・セツキシマブ三剤療法:BEACON CRC試験
Encorafenib, Binimetinib, and Cetuximab in BRAF V600E-Mutated Colorectal Cancer
背景
BRAF V600E遺伝子変異は大腸がんの1割前後でみられ、予後不良と関連する。University of Texas M.D. Anderson Cancer CenterのKopetzらは、遠隔転移を有するBRAF V600E変異大腸がん患者の二次治療として、MEK阻害剤binimetinib、BRAF阻害剤encorafenib、抗EGFR抗体薬セツキシマブの三剤併用、encorafenib、セツキシマブの二剤併用、セツキシマブと化学療法の併用(対照群)を比較する第3相ランダム化比較試験BEACON CRCを実施した(n=665)。
結論
全生存期間の中央値は対照群で5.4ヶ月、三剤併用群で9.0ヶ月(ハザード比0.52)、二剤療法群では8.4ヶ月であった。確定奏効率は三剤併用群26%、対照群2%であった。グレード3以上の有害事象は三剤併用群の58%、二剤療法群の50%、対照群の61%で発生した。
評価
Binimetinibとencorafenibの組み合わせはBRAF陽性メラノーマでFDA承認を受けているが、これにセツキシマブを加えた三剤の相乗効果により対照を上回る生存期間を示した。この集団での新たな標準治療となることが期待できる。