PI3K阻害剤taselisib、早期ER+/HER2-乳がんでも有望:第2相LORELEI試験
Neoadjuvant letrozole plus taselisib versus letrozole plus placebo in postmenopausal women with oestrogen receptor-positive, HER2-negative, early-stage breast cancer (LORELEI): a multicentre, randomised, double-blind, placebo-controlled, phase 2 trial
背景
選択的PI3K阻害剤taselisib(GDC-0032)は、PIK3CA変異乳がんで有望視されている。スペインVall d'Hebron University HospitalのSauraらは、ER陽性・HER2陰性切除可能乳がんと確認された閉経後女性を、レトロゾールへのtaselisibまたはプラセボの追加に割り付ける第2相ランダム化比較試験を実施した(n=334)。
結論
フォローアップ期間中央値4.9ヶ月で、客観的奏効率はtaselisib群50%、プラセボ群39%であった(オッズ比1.55)。PIK3CA変異患者のサブセットではそれぞれ56%、38%であった(2.03)。病理学的完全奏効は両群とも稀であった。
評価
進行乳がんでの第3相SANDPIPERでは、フルベストラントへの追加でPFSを延長した(http://doi.org/10.1200/JCO.2018.36.18_suppl.LBA1006)。早期乳がんでも、PI3K阻害剤としては初めてORRの向上を示し有望とみられる。