ピロリ除菌とビタミン・ニンニクサプリで胃がんを予防:中国RCT
Effects of Helicobacter pylori treatment and vitamin and garlic supplementation on gastric cancer incidence and mortality: follow-up of a randomized intervention trial
背景
Shandong Intervention Trialは、胃がんリスクの高い中国Linqu県において、Helicobacter pylori血清学的陽性の参加者(n=2,258)を、アモキシシリン・オメプラゾールによるH pylori治療、ビタミンC・E・セレンのサプリメント、ニンニクのサプリメント、またはこれらのプラセボに2×2×2で割り付け、血清学的陰性の参加者(n=1,107)をビタミン・サプリメント、ニンニク・サプリメント、またはこれらのプラセボに2×2で割り付けるランダム化比較試験であった。中国Peking University Cancer Hospital and InstituteのLiらは、同試験の22年目結果を報告した。
結論
1995〜2017年に151件の胃がん発症があり、94名が胃がんにより死亡した。H pylori治療の胃がん予防効果は、22年後にも持続していた(オッズ比0.48)。ビタミン・サプリ群では胃がん発症が有意に減少したが(0.64)、ニンニク・サプリ群では有意ではなかった(0.81)。胃がん死亡は3群とも有意に減少した(H pylori治療0.62、ビタミン・サプリ0.48、ニンニク・サプリ0.66)。ニンニク・サプリの胃がん発症・死亡への効果は、後期になって現れた。
評価
ピロリ除菌による胃がん予防効果を実証した古典的RCTであるが、この長期結果では併せてビタミン、ニンニクのサプリによる胃がん予防効果も示された。とはいえ本試験のLinqu県はnutritionally deprivedな集団であり、栄養状態良好な地域での再現性には留保が付く。