免疫チェックポイント阻害薬投与患者でのステロイドの影響、使用目的により異なる?
Immune Checkpoint Inhibitor Outcomes for Patients With Non-Small-Cell Lung Cancer Receiving Baseline Corticosteroids for Palliative Versus Nonpalliative Indications
背景
非小細胞肺がん(NSCLC)患者での免疫チェックポイント阻害薬の開始時に、コルチコステロイドが用いられているとアウトカムが悪化することが示唆されている。Dana-Farber Cancer InstituteのRicciutiらは、がん関連緩和目的でのステロイド使用と非がん適応使用を比較するため、免疫療法開始時に10 mg以上プレドニゾンを投与されていたNSCLC患者と0-10 mgの患者の臨床アウトカムを比較した(n=650)。
結論
14.3%が治療開始時に10 mg以上のプレドニゾンを投与されており、これらの患者では10 mg未満の患者と比して、無増悪生存期間(2.0ヶ月 vs. 3.4ヶ月)、全生存期間(4.9ヶ月 vs. 11.2ヶ月)とも短かった。投与理由による解析を行ったところ、緩和目的で10 mg以上の投与を受けた患者は、非投与目的で10 mg以上の投与を受けた患者、10 mg未満投与の患者と比して、無増悪生存期間・全生存期間が短かった。
評価
ステロイドによる免疫抑制が、免疫チェックポイント阻害薬の有効性を減じることが懸念されてきたが、この研究では、生存アウトカムの差が緩和目的でステロイドを投与された患者サブグループによってもたらされることを示唆した。これらの患者では免疫療法は最良のオプションではないかもしれない。