腎細胞がん脳転移ではニボルマブ有効性は限定的
Safety and Efficacy of Nivolumab in Brain Metastases From Renal Cell Carcinoma: Results of the GETUG-AFU 26 NIVOREN Multicenter Phase II Study

カテゴリー
がん
ジャーナル名
Journal of Clinical Oncology
年月
August 2019
37
開始ページ
2008

背景

ニボルマブは、進行した淡明細胞型腎細胞がん(RCC)での標準治療となっているが、RCC転移の5%ほどを占める脳転移での活性についてはデータが乏しい。フランスUniversite Paris-SaclayのFlippotらは、VEGF治療が失敗した転移性淡明細胞型RCC患者でニボルマブの活性・安全性を評価した第2相GETUG-AFU 26 NIVOREN試験から、無症候性脳転移でのニボルマブの活性を評価した。

結論

73名の脳転移患者が含まれた。うち39名は脳転移治療歴がなく(コホートA)、34名は治療歴を有した(コホートB)。コホートAの頭蓋内奏効率は12%であり、複数病変、1cmを超える病変を有する患者では奏効は見られなかった。頭蓋内無増悪生存期間はコホートAで中央値2.7ヶ月、コホートBで4.8ヶ月であり、1年生存率はそれぞれ67%、59%であった。

評価

脳転移での活性は限定的であった。転移量が限られた患者でのみ奏効がみられ、また局所療法歴のある患者は進行リスクが低下しており、これらが治療最適化のカギとなりそうだ。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(がん)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Journal of Clinical Oncology (JCO)、Journal of the National Cancer Institute(JNCI)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、Cancer Research (Cancer Res)