腎細胞がん脳転移ではニボルマブ有効性は限定的
Safety and Efficacy of Nivolumab in Brain Metastases From Renal Cell Carcinoma: Results of the GETUG-AFU 26 NIVOREN Multicenter Phase II Study
背景
ニボルマブは、進行した淡明細胞型腎細胞がん(RCC)での標準治療となっているが、RCC転移の5%ほどを占める脳転移での活性についてはデータが乏しい。フランスUniversite Paris-SaclayのFlippotらは、VEGF治療が失敗した転移性淡明細胞型RCC患者でニボルマブの活性・安全性を評価した第2相GETUG-AFU 26 NIVOREN試験から、無症候性脳転移でのニボルマブの活性を評価した。
結論
73名の脳転移患者が含まれた。うち39名は脳転移治療歴がなく(コホートA)、34名は治療歴を有した(コホートB)。コホートAの頭蓋内奏効率は12%であり、複数病変、1cmを超える病変を有する患者では奏効は見られなかった。頭蓋内無増悪生存期間はコホートAで中央値2.7ヶ月、コホートBで4.8ヶ月であり、1年生存率はそれぞれ67%、59%であった。
評価
脳転移での活性は限定的であった。転移量が限られた患者でのみ奏効がみられ、また局所療法歴のある患者は進行リスクが低下しており、これらが治療最適化のカギとなりそうだ。