高リスク神経芽腫でのタンデム大量化学療法で高いEFS率:ANBL0532試験
Effect of Tandem Autologous Stem Cell Transplant vs Single Transplant on Event-Free Survival in Patients With High-Risk Neuroblastoma: A Randomized Clinical Trial
背景
高リスク神経芽腫では寛解導入療法と自家造血幹細胞移植による大量療法、さらに欧米では抗GD2抗体療法を行うことが標準治療となっているが、生存率はなお低い。Seattle Children’s HospitalのParkらは、北米・スイス・オセアニア142施設の30歳以下の高リスク神経芽腫患者を、チオテパ・シクロホスファミド後の減量カルボプラチン・エトポシド・メルファランによるタンデム移植、またはカルボプラチン・エトポシド・メルファランによる単回移植に割り付ける第3相ランダム化比較試験を実施した(n=355)。
結論
3年無イベント生存率はタンデム移植群61.6%、単回群48.4%であった。多く見られた毒性として粘膜毒性、感染症があった。
評価
さらなる治療強化によりEFSの改善を示したが、登録患者の約半数しかランダム化されておらず、この結果がすべての神経芽腫患者での利益を代表するかは不明である。本試験の地固め療法後に進行が見られなかった患者はその後、免疫療法を検討するANBL0032試験・ANBL0931試験へと参加している。