オリゴメタ肺がんへの局所地固め療法が生存利益示す:第2相RCT
Local Consolidative Therapy Vs. Maintenance Therapy or Observation for Patients With Oligometastatic Non-Small-Cell Lung Cancer: Long-Term Results of a Multi-Institutional, Phase II, Randomized Study
背景
University of Texas MD Anderson Cancer CenterのGomezらは、転移が3個以下で、初回全身治療後3ヶ月進行が見られなかったステージ4非小細胞肺がん患者を、維持療法または経過観察(MT/O)ないし放射線治療・手術による局所地固め療法(LCT)に割り付ける第2相多施設ランダム化比較試験を行い、先にLCTによる無増悪生存期間(PFS)の延長を報告している。今回その全生存期間(OS)結果を公表した。
結論
49名を登録した時点でPFSベネフィットが示されたため、試験は早期終了した。フォローアップ期間中央値38.8ヶ月時点でも、LCT群のPFSベネフィットは堅牢であった(14.2ヶ月 vs. 4.4ヶ月)。またOSも、LCT群で中央値41.2ヶ月、MT/O群で17.0ヶ月とLCT群で良好であった。進行後の生存期間もLCT群で長かった(37.6ヶ月 vs. 9.4ヶ月)。MT/O群の進行患者のうち9名はLCTを受け、そのOSは中央値17ヶ月であった。
評価
免疫療法によりNSCLC治療が様変わりする前にデザインされた試験ではあるが、肺がんでのRCTとしては初めて局所地固め療法のOSベネフィットを証明した。すでに新規薬剤も使用する第3相NRG-LU002試験(NCT03137771)が行われているほか、本試験のMDアンダーソンがんセンターグループによる多数転移患者を含めたLONESTAR試験(NCT03391869)・NORTHSTAR試験(NCT03410043)も進行中である。