精巣がんを高感度で検出できる新マーカーが登場:多施設前向検証
Serum Levels of MicroRNA-371a-3p (M371 Test) as a New Biomarker of Testicular Germ Cell Tumors: Results of a Prospective Multicentric Study
背景
精巣腫瘍の腫瘍マーカーとしてAFP・hCG-β・LDHなどがあるが、すべての腫瘍タイプで発現するわけではなく、感度は高いとは言えない。ドイツAsklepios Klinik AltonaのDieckmannらは、精巣胚細胞腫瘍患者616名、対照男性258名での定量PCRにより、精巣腫瘍マーカーとしての血清miRNA-371a-3pレベル(M371検査)の有用性を評価した。
結論
一次診断におけるM371の感度は90.1%、特異度は94.0%であった。ROC解析における曲線下面積は0.966、陽性適中率は97.2%であった。精上皮腫(n=359)におけるAFP・HCG-β・LDHの感度はいずれも50%未満であり、非精上皮腫(n=257)でも50%前後であった。miRNA-371a-3pレベルは、臨床病期・原発巣サイズ・治療奏効と有意に関連した。奇形腫ではmiRNA-371a-3pの発現は見られなかった。
評価
奇形腫を除きすべてのサブタイプで発現するマーカーで、古典的マーカーを大きく上回る精度を示した。将来的には精巣がんの診断プロセスに組み込まれることが期待される。