終末期を前にしたがん患者とのコミュニケーションを改善する
Evaluating an Intervention to Improve Communication Between Oncology Clinicians and Patients With Life-Limiting Cancer: A Cluster Randomized Clinical Trial of the Serious Illness Care Program
背景
Harvard T.H. Chan School of Public HealthのPaladinoらは、Dana-Farber Cancer Institute腫瘍科外来の高死亡リスクがん患者(n=278)・医師(n=91)を対象としたクラスターランダム化比較試験を実施し、コミュニケーション品質改善介入Serious Illness Care Programが、患者と腫瘍科医の文書化された会話の機会・時期・品質・アクセシビリティに与える効果を評価した。
結論
患者の58%は研究期間中に死亡した。患者死亡後のカルテレビューでは、介入群でより多くの話し合いがもたれており(96% vs. 79%)、話し合いが行われるまでの期間も短かった(死の143日前 vs. 71日前)。介入群の話し合いの内容は、価値観や治療目的、疾患・予後の理解、生命維持への嗜好に重点をおいた、より包括的なものとなった。
評価
SICG(コミュニケーションガイドツール)や医師のトレーニング、早期の話し合いを促すシステム変更などからなる品質改善プログラムで、終末期のための話し合いをより早期に、より患者中心的なものとすることができた。一次アウトカム(治療目標の一致と終末期の平穏)については別報で発表されている(http://doi.org/10.1001/jamainternmed.2019.0077)。


