HPVワクチン接種プログラムの大きな効果:最新6000万人データのメタ解析
Population-level impact and herd effects following the introduction of human papillomavirus vaccination programmes: updated systematic review and meta-analysis

カテゴリー
がん
ジャーナル名
The Lancet
年月
June 2019
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開始ページ
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背景

ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン接種が世界的に実施され始めてから十年以上が経過し、99の国・地域でワクチン接種プログラムが導入されている。カナダQuebec-Universite LavalのDroletらは、ワクチン接種プログラムの導入前後で、一般集団におけるHPV関連エンドポイントを比較した研究を対象としたシステマティックレビュー・メタアナリシスを実施した。

結論

14の高所得国から65報の論文が含まれた。ワクチン接種から5〜8年で、13〜19歳女性のHPV 16/18有病率は83%減少、20〜24歳では66%減少した。HPV 31/33/45も54%減少した。肛門性器疣贅は、15〜19歳の女性で67%、20〜24歳で54%、25〜29歳で31%減少した。また15〜19歳の男性でも48%、20〜24歳男性でも32%減少した。CIN2+は、15〜19歳女性で51%、20〜24歳で31%減少した。

評価

先回のメタ解析を更新するもので(http://doi.org/10.1016/S1473-3099(14)71073-4)、先進国6000万人のデータから、HPV集団接種による前がん病変の抑制効果に説得力のあるエビデンスをもたらした。将来的には子宮頸がん発症率の低下として現れることになるだろう。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(がん)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Journal of Clinical Oncology (JCO)、Journal of the National Cancer Institute(JNCI)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、Cancer Research (Cancer Res)