厚さ2mm以上のメラノーマでの切除マージンは2cmでよい:スウェーデンRCTの長期結果
2-cm versus 4-cm surgical excision margins for primary cutaneous melanoma thicker than 2 mm: long-term follow-up of a multicentre, randomised trial
背景
悪性黒色腫の原発巣切除では切除範囲を広く取ることで再発率・生存率の改善が期待されるが、至適な切除マージンはどの程度か。スウェーデンKarolinska InstitutetのUtjesらは、ヨーロッパ9ヶ国のtumor thicknessが2mmを超えるIIA-C期悪性黒色腫患者(n=936)での原発巣切除において、2cmまたは4cmの切除マージンを比較するランダム化比較試験を実施、その長期結果を発表した。
結論
フォローアップ期間中央値19.6年で、2cm群の49%、4cm群の51%が死亡した(未調整ハザード比0.98)。悪性黒色腫による死亡は、それぞれ48%、52%であった(0.95)。
評価
最初の報告に続き(http://doi.org/0.1016/S0140-6736(11)61546-8)、この長期結果でも2cm切除の安全性が示された。Tumor thicknessが2mm以上のメラノーマでは、1cmマージンで特異的生存率が低下することが明らかにされており(http://doi.org/10.1016/S1470-2045(15)00482-9)、ガイドライン通り2cmのマージンを取ることが望ましい。