HER2陽性乳がんでの術後トラスツズマブ短縮、6ヶ月は非劣性:PERSEPHONE試験
6 versus 12 months of adjuvant trastuzumab for HER2-positive early breast cancer (PERSEPHONE): 4-year disease-free survival results of a randomised phase 3 non-inferiority trial
背景
HER2陽性早期乳がんでの術後トラスツズマブは1年間が標準期間となっているが、これを短縮できるか検証が続いている。イギリスAddenbrooke's HospitalのEarlらは、化学療法が適応であるHER2陽性早期乳がん患者に、6ヶ月または12ヶ月のトラスツズマブに割り付ける第3相ランダム化非劣性試験PERSEPHONEを実施した(n=4,089)。
結論
フォローアップ期間中央値5.4年で、無病生存イベントは6ヶ月群の13%、12ヶ月群の12%で発生した。4年無病生存率はそれぞれ89.4%、89.8%で(ハザード比1.07)、6ヶ月投与の非劣性が示された。6ヶ月群では重篤有害事象が少なく(19% vs. 24%)、心毒性による早期中止も少なかった(3% vs. 8%)。
評価
6ヶ月投与ではPHARE試験(http://doi.org/10.1016/S1470-2045(13)70225-0)、HORG CT/04.23試験(https://doi.org/10.1093/annonc/mdv213)が非劣性証明に失敗してきたが、過去最大の試験で初めて非劣性マージンを満たした。6ヶ月群での心毒性の軽減も示され、短縮方向へ後押しする結果となった。