BRCA遺伝子変異を有する進行膵がんにオラパリブ維持療法:POLO試験
Maintenance Olaparib for Germline BRCA-Mutated Metastatic Pancreatic Cancer
背景
PARP阻害剤オラパリブは、BRCA遺伝子変異を有する乳がんや卵巣がん維持療法で有効性が認められている。イスラエルSheba Medical CenterのGolanらは、初回プラチナ化学療法で進行がみられなかった生殖細胞系列BRCA1/BRCA2変異・進行膵がんでの維持療法として、オラパリブまたはプラセボを3:2で割り付ける第3相ランダム化比較試験POLOを実施した(n=154)。
結論
無増悪生存期間はオラパリブ群7.4ヶ月、プラセボ群3.8ヶ月と有意に延長した(ハザード比0.53)。全生存期間は中間解析時点でmatureでなく、有意な群間差はなかった(0.91)。健康関連QOLに差はなかった。グレード3以上の有害事象はオラパリブ群の40%、プラセボ群の23%でみられた。
評価
進行膵がんの5%ほどを占めるBRCA陽性患者で、オラパリブ維持療法により進行リスクを半減させられることを示し、進行膵がんにおいて標的アプローチを確立した最初の第3相RCTとなった。


