HPVワクチンで子宮頸部前がん病変が9割減:スコットランドのワクチン接種プログラム
Prevalence of cervical disease at age 20 after immunisation with bivalent HPV vaccine at age 12-13 in Scotland: retrospective population study

カテゴリー
がん
ジャーナル名
BMJ
年月
April 2019
365
開始ページ
l1161

背景

ヒト・パピローマウイルス(HPV)の感染は子宮頸がんの主要因であり、ワクチン接種により予防可能となる。イギリスUniversity of EdinburghのPalmerらは、2008年に12-3歳の少女を対象に全国HPVワクチン接種プログラムが開始されたスコットランドにおいて、1988-96年に生まれ、20歳時に細胞診検診を受けた女性138,692名でのHPVワクチン接種と細胞診結果との関連を調査した。

結論

1988年生まれのワクチン非接種女性と比して、95-6年生まれのワクチン接種女性ではグレード3以上の子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)が89%減少した(0.59%から0.06%へ)。同じくグレード2以上のCINでみれば88%、グレード1のCINも79%減少した。12-3歳でのワクチン接種は、17歳での接種と比してワクチン有効性が高かった。またワクチン未接種女性でもCINの減少がみられた。

評価

85%を超える接種率を誇ったプログラムで、ワクチン非接種者にもリスク低下が及ぶ「集団免疫効果」も含め、集団ワクチン接種の劇的な効果を実証した。一方で日本のワクチン接種率は2013年以降ほぼゼロの状態が続いている。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(がん)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Journal of Clinical Oncology (JCO)、Journal of the National Cancer Institute(JNCI)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、Cancer Research (Cancer Res)