Google、CTボリュームデータから肺がんを検出するAIを開発
End-to-end lung cancer screening with three-dimensional deep learning on low-dose chest computed tomography
背景
近年、人工知能(AI)は画像認識の分野で大きなブレイクスルーを成し遂げ、医療分野においても次々と応用が現れている。Google AIのArdilaらは、患者(n=14,851)ごとの現在・過去の低線量肺CTボリュームデータ(n=42,290)を解析する3次元畳み込みニューラルネットワーク(CNN)モデルを構築し、CTボリューム内のがん候補領域を検知するモデルを訓練、これらに基づくCNNがんリスク予測モデルを開発した。
結論
検証データセット6,716件(うち陽性86件)において、このモデルはAUC:94.4の高精度でがんを予測した。認定放射線科医6名との比較では、単回CTデータのみのセッティングにおいて、放射線科医の平均よりも有意に高い感度、有意に高い特異度を示した。一方で、現在および1年前のCTデータを利用可能なセッティングでは、放射線科医の平均とモデルは同程度の感度・特異度を示した。
評価
CTボリュームデータから高い精度で肺結節を発見することができることを示した。こうしたAI画像診断システムの臨床採用までには尚いくつかのステップを要するが、現場への登場は遠い将来のことではあるまい。

