転移のない高リスク前立腺がん、ホルモン療法へのドセタキセル追加は無益:第3相RCT
Effect of Adding Docetaxel to Androgen-Deprivation Therapy in Patients With High-Risk Prostate Cancer With Rising Prostate-Specific Antigen Levels After Primary Local Therapy: A Randomized Clinical Trial
背景
アンドロゲン遮断療法(ADT)とドセタキセルの併用は、転移を有するホルモン療法感受性前立腺がんでの標準治療となったが、転移のない高リスク前立腺がんではどうか。フランスHopital Europeen Georges PompidouのOudardらは、一次治療後にPSAレベルの上昇をみた転移リスクの高い前立腺がん患者で、1年間のADT単独およびそれへのドセタキセル(6サイクル)追加を比較する第3相非盲検ランダム化比較試験を実施した(n=254)。
結論
フォローアップ期間中央値30ヶ月で、PSA非再発生存期間はドセタキセル追加群20.3ヶ月・ADT単独群19.3ヶ月であった(ハザード比0.85、非有意)。フォローアップ期間10.5年時点で、放射線学的増悪なき生存に群間差はなかった(1.03)。全生存データはimmatureであった。ドセタキセル追加群でのグレード3・4有害事象として、好中球減少症・熱性好中球減少症・血小板減少症がみられた。QOLに差はなかった。
評価
転移を有する前立腺がんではADTへのドセタキセル追加が標準治療となっているが、限局性患者では十分確立されておらず(http://doi.org/10.1016/S1470-2045(15)00489-1)、本試験でもベネフィットは示されなかった。