PIK3CA変異HR陽性乳がんにPI3K阻害剤Alpelisib+フルベストラント:第3相SOLAR-1試験
Alpelisib for PIK3CA-Mutated, Hormone Receptor-Positive Advanced Breast Cancer
背景
乳がんの多くはHR陽性・HER2陰性であるが、その4割でPIK3CA遺伝子の変異がみられる。フランスInstitut Gustave RoussyのAndreらは、内分泌療法歴のあるHR陽性・HER2陰性の進行乳がん患者を、経口PI3Kα阻害剤alpelisib(BYL719)+フルベストラント、またはプラセボ+フルベストラントに割り付ける第3相ランダム化比較試験SOLAR-1を実施した(n=572)。
結論
341名がPIK3CA変異陽性の患者であった。PIK3CA変異コホートの無増悪生存期間は、alpelisib群で11.0ヶ月、プラセボ群で5.7ヶ月であった(ハザード比0.65)。全奏功率もalpelisib群で優った(26.6% vs. 12.8%)。グレード3・4の有害事象として高血糖症・発疹がalpelisib群で多くみられた。Alpelisib群の25.0%、プラセボ群の4.2%が有害事象による治療中止に至った。
評価
PI3K阻害剤としては初めてPIK3CA乳がんでのPFS延長を示した。毒性イベントは増加したものの、概ね管理可能であった。進行乳がんの新たな標準オプションとして加わることになるだろう。