HER2陰性早期乳がんでアントラサイクリンは省略できるか:PlanB試験
West German Study PlanB Trial: Adjuvant Four Cycles of Epirubicin and Cyclophosphamide Plus Docetaxel Versus Six Cycles of Docetaxel and Cyclophosphamide in HER2-Negative Early Breast Cancer
背景
ドイツWest German Study Groupによる第III相試験PlanBは、当初、リンパ節転移陽性または陰性高リスクの早期乳がん患者を対象に、エピルビシン+シクロホスファミド(EC)4サイクル後にドセタキセルと、ドセタキセル+シクロホスファミド(TC)6サイクルを比較するものであったが、21遺伝子再発スコア(Oncotype DX)で11以下の患者では化学療法を省略、ホルモン療法のみを行う試験デザインに修正した(n=3,198)。West German Study GroupのNitzらは、同試験の当初の試験デザインにおける結果を報告した。
結論
フォローアップ期間中央値60ヶ月で、5年無病生存率はEC-T群89.6%、TC群89.9%、5年全生存率はそれぞれ94.5%、94.7%と同等であり、無病生存率については非劣性マージンを満たした。
評価
乳がん臨床試験としてはヨーロッパ最大規模のもので、アントラサイクリン・フリーの治療が安全であることを示した。21遺伝子アッセイによる化学療法省略については先に結果が公表されている(http://doi.org/10.1200/JCO.2015.63.5383)。