HER2陽性乳がんでの術前療法、PET-CTで化学療法を回避できる患者を特定
TBCRC026: Phase II Trial Correlating Standardized Uptake Value With Pathologic Complete Response to Pertuzumab and Trastuzumab in Breast Cancer
背景
HER2陽性乳がんでは、化学療法に加えたペルツズマブ・トラスツズマブ(PT)による二剤HER2標的療法が有効とみられているが、一部患者では化学療法を除いたHER2標的療法単独でもベネフィットを期待できるかもしれない。Johns Hopkins University のConnollyらは、ステージII/IIIのER陰性HER2陽性乳がん患者(n=88)に対する術前補助PT療法において、ベースライン時と治療開始15日後にFDG-PET/CTを実施し、除脂肪体重で補正したSUV最大値(SULmax)の病理学的完全寛解(pCR)予測能を検証した。
結論
ベースラインから治療15日目までのSULmaxの変化は、pCRをAUC:0.76の精度で予測できた。pCR達成患者では、SULmaxの減少率が大きく(63.8% vs. 33.5%)、SULmaxが40%以上減少した患者の割合も高かった(86% vs. 46%)。
評価
治療開始2週間後の時点で、PT療法の奏功を高精度で予測し、化学療法を回避できる患者を同定可能であった。PETによる治療精密化アプローチとして期待が持てる。