HER2陽性乳がんでの術前療法、PET-CTで化学療法を回避できる患者を特定
TBCRC026: Phase II Trial Correlating Standardized Uptake Value With Pathologic Complete Response to Pertuzumab and Trastuzumab in Breast Cancer

カテゴリー
がん
ジャーナル名
Journal of Clinical Oncology
年月
March 2019
37
開始ページ
714

背景

HER2陽性乳がんでは、化学療法に加えたペルツズマブ・トラスツズマブ(PT)による二剤HER2標的療法が有効とみられているが、一部患者では化学療法を除いたHER2標的療法単独でもベネフィットを期待できるかもしれない。Johns Hopkins University のConnollyらは、ステージII/IIIのER陰性HER2陽性乳がん患者(n=88)に対する術前補助PT療法において、ベースライン時と治療開始15日後にFDG-PET/CTを実施し、除脂肪体重で補正したSUV最大値(SULmax)の病理学的完全寛解(pCR)予測能を検証した。

結論

ベースラインから治療15日目までのSULmaxの変化は、pCRをAUC:0.76の精度で予測できた。pCR達成患者では、SULmaxの減少率が大きく(63.8% vs. 33.5%)、SULmaxが40%以上減少した患者の割合も高かった(86% vs. 46%)。

評価

治療開始2週間後の時点で、PT療法の奏功を高精度で予測し、化学療法を回避できる患者を同定可能であった。PETによる治療精密化アプローチとして期待が持てる。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(がん)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Journal of Clinical Oncology (JCO)、Journal of the National Cancer Institute(JNCI)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、Cancer Research (Cancer Res)