進行前立腺がんの3%にマイクロサテライト不安定性、免疫療法が有効か
Analysis of the Prevalence of Microsatellite Instability in Prostate Cancer and Response to Immune Checkpoint Blockade
背景
ペムブロリズマブは高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)の進行・再発固形がんすべてについて適応が認められているが、前立腺がんにおけるMSIの割合や免疫チェックポイント阻害薬の有効性などは知られていない。Memorial Sloan Kettering Cancer CenterのAbidaらは、同施設で治療を受けた前立腺がん患者(n=1,346)のケースシリーズにおいて、MSI-Hおよびミスマッチ修復異常(dMMR)の割合と抗PD-1・PD-L1療法の臨床ベネフィットを調査した。
結論
解析を行うことができた1,033名のうち、32名(3.1%)がMSI-H/dMMR前立腺がんであった(MSI-Hは2.2%)。32名中7名がリンチ症候群関連遺伝子変異を有した。去勢抵抗性MSI-H/dMMR前立腺がん患者11名が抗PD-1・PD-L1療法を受け、6名(55%)がPSA半減、このうちさらに4名では放射線学的奏功を有した。
評価
MSI-H(およびdMMR)は稀ではあるものの、免疫チェックポイント阻害薬の持続的な有効性が期待できることが示された。すべての進行前立腺がん患者でスクリーニングを行う意義は十分にある。