少数個転移(オリゴメタ)がんでの定位放射線治療が有望:第II相SABR-COMET試験
Stereotactic ablative radiotherapy versus standard of care palliative treatment in patients with oligometastatic cancers (SABR-COMET): a randomised, phase 2, open-label trial
背景
少数個の転移を有する(oligometastatic)がんを、これまで考えられてきた遠隔転移がんとは異なる臨床実体とみなすパラダイムが登場している。カナダLondon Health Sciences CentreのPalmaらは、制御された原発巣と5個までの転移病変を有するがん患者に、通常の緩和ケア、またはそれに追加した転移巣への体幹部定位放射線治療(SABR)を1:2で割り付ける第II相多国籍ランダム化比較試験SABR-COMETを実施した(n=99)。
結論
全生存期間の中央値は、緩和ケア群28ヶ月・SABR追加群41ヶ月であった(ハザード比0.59)。グレード2以上の有害事象は、緩和ケア群の9%、SABR群の29%で生じた。また治療関連死亡がSABR群の3名(4.5%)で生じた。
評価
オリゴメタ・パラダイムでは、転移巣指向の治療が予後の改善に資することが期待されている。この試験では、放射線治療の追加はOS改善と関連した一方で、少なくない治療関連有害事象が発生した。利益と害のバランスも、続く第III相試験の課題となる。