消化管がん術後のビタミンD補充は再発を予防できるか:AMATERASU試験
Effect of Vitamin D Supplementation on Relapse-Free Survival Among Patients With Digestive Tract Cancers: The AMATERASU Randomized Clinical Trial
背景
ビタミンDはがん発症抑制との関連が示唆されており、RCTによる検証が繰り返し行われている。日本Jikei University School of Medicine(東京慈恵会医科大学)のUrashimaらは、同大学病院のステージI-IIIの消化器(食道から直腸)がん患者に、術後ビタミンD補充(2000 IU/d)またはプラセボを割り付けるランダム化比較試験AMATERASU 5を実施した(n=417)。
結論
再発はビタミンD群の20%、プラセボ群の26%で生じ、5年無再発生存率はそれぞれ77%・69%であった(ハザード比0.76、非有意)。死亡はビタミンD群15%・プラセボ群15%で、5年全生存率は82%・81%で差はなかった(0.95)。サブグループ解析では、ベースラインの血清25(OH)Dレベルが20-40 ng/mLの患者グループで、ビタミンD群での5年無再発生存率の有意な改善が認められた(85% vs. 71%、0.46)。
評価
年齢調整を行った事後解析ではビタミンD群での再発リスクの減少が認められた。併載論文のSUNSHINE試験においては有転移大腸がんでの高用量ビタミンDの利益が示唆されており(http://doi.org/10.1001/jama.2019.2402)、術後の二次予防に何らかの役割を持つ可能性がある。AMATERASUシリーズでは、肺がん術後再発での予防効果を検証するAMATERASU 4も進行中である。