前立腺がん診断後のアスピリン服用に効果はあるか:デンマーク研究
Use of Low-Dose Aspirin and Mortality After Prostate Cancer Diagnosis: A Nationwide Cohort Study
背景
アスピリンはいくつかの癌に予防的に働くことが知られているが、がん診断後の服用により死亡率を改善することは出来るか。デンマークDanish Cancer Society Research CenterのSkriverらは、同国の国家規模レジストリの前立腺がん患者において、診断後の低用量アスピリン服用と前立腺がん特異的死亡率との関連を調査した(n=29,136)。
結論
フォローアップ期間中央値4.9年で、7,633名が前立腺がん、5,575名が他の原因により死亡した。診断後の低用量アスピリン服用は、前立腺がん特異的死亡についてハザード比0.95、他原因死亡について1.12であった。二次解析では、低用量アスピリン曝露期間から5年・7.5年で低用量アスピリンによる死亡率のわずかな低下が見られた(ハザード比0.91・0.84)。
評価
5年を超えるアスピリン服用で死亡率低下効果がみられた。大腸がんでは予防効果が現れるまでにある程度長期の曝露が必要とみられており、前立腺がんでもアスピリンが有効である可能性はある。


