小児がん長期サバイバー:基底細胞がんリスクは30倍
Long-Term Risk of Skin Cancer Among Childhood Cancer Survivors: A DCOG-LATER Cohort Study
背景
小児がんのサバイバーでは各種がんのリスクが上昇する。オランダPrincess Maxima Center for Pediatric OncologyのTeepenらは、同国で1963〜2001年にがん診断を受け5年以上生存した小児がんサバイバーのコホートDCOG-LATERにおいて、サバイバーにおけるがんリスクとリスク因子(特に放射線量・曝露皮膚面積・化学療法剤)を検証した(n=5,843)。
結論
259名で1,061件の基底細胞がん(標準化罹患比29.8)、20名が悪性黒色腫(2.3)、10名が扁平上皮がん(7.5)を発症した。小児がんから40年間の累積基底細胞がん罹患率は19.1%であった(一般集団0.6%)。領域への放射線照射(HR:14.32)・照射野内皮膚面積(26-75%でHR:1.99、76-100%でHR:2.16)は基底細胞がんリスクであったが、線量に関連はなく、化学療法剤のうちリスク増と関連したのはビンカアルカロイドのみであった。
評価
基底細胞がんリスクは一般集団のじつに30倍に上った。リスクは晩期になるほど高く、また近年の治療毒性軽減の努力が実を結んでいるかも現時点では不明であった。