併存症のあるがん患者は臨床試験へ十分参加できていない
Association of Patient Comorbid Conditions With Cancer Clinical Trial Participation
背景
がん臨床試験は、最新治療にアクセスする機会を患者に提供するが、現実の患者集団を十分に代表していないことが指摘されている。SWOG Statistics and Data Management CenterのUngerらは、ウェブベースの治療意思決定ツールにおいて過去3ヶ月以内に治療方針の決定を行った乳がん・肺がん・大腸がん・前立腺がん患者の調査を行い、併存症と臨床試験への参加との関連を検討した(n=5,499)。
結論
65.6%が1つ以上の併存症を有した。最も一般的な併存症状は高血圧であった(35.0%)。併存症を有する患者では、臨床試験についての話し合い(44.1% vs. 37.2%)、試験参加の要請(21.7% vs. 15.7%)、試験参加(11.3% vs. 7.8%)とも低調であった。
評価
ASCOやFDAは、臨床試験の過度に厳格な除外基準を現代化し、現実の患者集団をより良く反映することを求めている。この研究では、併存症の存在が試験参加の議論への障壁となっている可能性が示唆された。


