化学療法後に発症する白血病・骨髄異形成症候群の3/4が化学療法原因
Association of Chemotherapy for Solid Tumors With Development of Therapy-Related Myelodysplastic Syndrome or Acute Myeloid Leukemia in the Modern Era
背景
がんに対する治療後に治療関連の骨髄異形成症候群(t-MDS)・急性骨髄性白血病(t-AML)が発症することがある。National Cancer InstituteのMortonらは、アメリカSurveillance, Epidemiology, and End Resultsプログラムのコホート(n=700,612)において、化学療法を受け1年以上生存した固形がん患者におけるtMDS・tAMLリスクを定量化した。
結論
1,619件のtMDS/AMLがあり、tMDS/AMLリスクは23種の固形がんのうち大腸がんを除く22種で有意に上昇した。一般集団と比較した相対リスクは1.5から10、余剰絶対リスクは1万人年あたり1.4件から15件であった。tMDS/AML診断後の全生存期間は中央値7ヶ月であった。
評価
現代の化学療法患者における大規模な調査である。化学療法後5年以内に発症するAML・MDSの3/4が化学療法に原因を持つと考えられ、その予後は不良であった。化学療法曝露の最小化や低毒性アプローチの開発はなおも急務である。