がん検診に来ない人はがん以外の死亡率も増える
Association of Nonadherence to Cancer Screening Examinations With Mortality From Unrelated Causes: A Secondary Analysis of the PLCO Cancer Screening Trial
背景
がん検診を受けない個人ではがんによる死亡リスクが上昇すると考えられるが、がん以外の原因による死亡はどうか。National Cancer InstituteのPierre-Victorらは、前立腺がん・肺がん・卵巣がん検診の効果を検証したランダム化比較試験PLCOがん検診試験の介入群(n=77,443)のデータを用い、がん検診非遵守と死亡との関連を検討した。
結論
64,567名が解析に含まれた。このうち85.3%がベースライン検診を受け(受診遵守)、3.9%は部分遵守、10.8%は非遵守であった。フォローアップ10年での遵守集団と比した非がん死亡のハザード比は、年齢・性別・人種について調整した場合、非遵守集団で1.73、部分遵守集団で1.36であった。医学的リスク因子と健康行動因子を調整した場合では、非遵守集団で1.46となった。
評価
特定の治療・服薬で遵守率の高い患者では他の治療の遵守率も高いことが知られており(遵守効果[adherence effect])、本研究で明らかにされた相関も、一般的な健康意識という共通原因の結果とみるのが妥当であろう。