手術不能早期肺がんでの体幹部定位放射線治療:第III相TROG 09.02試験
Stereotactic ablative radiotherapy versus standard radiotherapy in stage 1 non-small-cell lung cancer (TROG 09.02 CHISEL): a phase 3, open-label, randomised controlled trial
背景
早期肺がんに対する体幹部定位放射線治療(SABRまたはSBRT)は、特に手術不能例での実施が拡がっている。オーストラリアPeter MacCallum Cancer CentreのBallらは、ステージIの非小細胞肺がん成人患者を、SABRまたは標準放射線治療に2:1で割り付ける第III相ランダム化比較試験TROG 09.02(CHISEL)を実施した(n=101)。
結論
フォローアップ期間中央値2.6年で、局所的進行はSABR群14%・標準放射線治療群31%であった(ハザード比0.32)。治療関連有害事象として、SABR群ではグレード4が1件、グレード3が7件報告され、標準治療群ではグレード3が2件報告された。
評価
SABRと通常分割照射を比較するRCTとしてはSPACE試験(http://doi.org/10.1016/j.radonc.2016.08.015)に続くもので、良好な局所制御率・再発率・生存率を示した。手術不能・拒否患者での標準治療とみなされる。外科手術とSABRを比較するRCTも進行中である。