手術不能早期肺がんでの体幹部定位放射線治療:第III相TROG 09.02試験
Stereotactic ablative radiotherapy versus standard radiotherapy in stage 1 non-small-cell lung cancer (TROG 09.02 CHISEL): a phase 3, open-label, randomised controlled trial

カテゴリー
がん
ジャーナル名
The Lancet Oncology
年月
February 2019
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背景

早期肺がんに対する体幹部定位放射線治療(SABRまたはSBRT)は、特に手術不能例での実施が拡がっている。オーストラリアPeter MacCallum Cancer CentreのBallらは、ステージIの非小細胞肺がん成人患者を、SABRまたは標準放射線治療に2:1で割り付ける第III相ランダム化比較試験TROG 09.02(CHISEL)を実施した(n=101)。

結論

フォローアップ期間中央値2.6年で、局所的進行はSABR群14%・標準放射線治療群31%であった(ハザード比0.32)。治療関連有害事象として、SABR群ではグレード4が1件、グレード3が7件報告され、標準治療群ではグレード3が2件報告された。

評価

SABRと通常分割照射を比較するRCTとしてはSPACE試験(http://doi.org/10.1016/j.radonc.2016.08.015)に続くもので、良好な局所制御率・再発率・生存率を示した。手術不能・拒否患者での標準治療とみなされる。外科手術とSABRを比較するRCTも進行中である。

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取り上げる主なジャーナル(がん)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Journal of Clinical Oncology (JCO)、Journal of the National Cancer Institute(JNCI)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、Cancer Research (Cancer Res)