mCRPCでのDNA修復異常、BRCA2ステータスが治療選択に有用か:PROREPAIR-B研究
PROREPAIR-B: A Prospective Cohort Study of the Impact of Germline DNA Repair Mutations on the Outcomes of Patients With Metastatic Castration-Resistant Prostate Cancer
背景
DNA修復異常(DDR)は、進行前立腺がんの1割に存在するとされる。スペインSpanish National Cancer Research CenterのCastroらは、遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)患者における生殖系列DDR変異の頻度と治療奏効への影響を調査した(n=419)。
結論
16.2%がgDDR変異キャリアであった(14名がBRCA2、8名がATM、4名がBRCA1)。ATM/BRCA1/BRCA2/PALB2キャリアのmCRPC特異的生存期間は23.3ヶ月(中央値)で、非キャリアの33.2ヶ月と統計的有意差はなかった。mCRPC特異的生存期間は、gBRCA2キャリアで半減した(17.4ヶ月 vs. 33.2ヶ月)。gBRCA2キャリアではアンドロゲン阻害療法により、タキサン系化学療法と比して、mCRPC特異的生存期間(24.0ヶ月 vs. 17.0ヶ月)、二次治療までの無増悪生存期間(18.9ヶ月 vs. 8.6ヶ月)が延長した。
評価
進行前立腺がんの1割でDDRがみられることが知られていたが(http://doi.org/10.1056/NEJMoa1603144)、mCRPCでも6人に一人でみられた。このうちBRCA2変異は臨床アウトカム悪化と関連した一方、この変異を有する患者でアビラテロンやエンザルタミドが有効な可能性が示された。


