Gleasonスコア9-10の前立腺がん、手術+EBRTとEBRT+BTはリスク同等
Surgery vs Radiotherapy in the Management of Biopsy Gleason Score 9-10 Prostate Cancer and the Risk of Mortality
背景
低リスク前立腺がんの至適な治療戦略については大規模なランダム化比較試験が実施されてきたが、高リスク前立腺がん(Gleasonスコア9-10)についてはRCTエビデンスを欠いている。ドイツUniversity Hospital Hamburg-EppendorfのTilkiらは、外照射放射線療法(EBRT)+小線源照射(BT)+アンドロゲン遮断療法(ADT)または根治的切除による治療を受けたGleasonスコア9-10前立腺がん患者のコホートで、治療成績を比較した(n=639)。
結論
根治的切除患者のうち8.9%が術後EBRT・ADTを受けた。手術+EBRT+ADT群とEBRT+BT+ADT群では、前立腺がん特異的死亡(調整ハザード比1.33)・全原因死亡(0.80)とも有意に異ならなかった。Plausibility indexによる両治療が同等である確率は、前立腺がん特異的死亡について76.75%、全原因死亡については77.97%であった。
評価
手術とEBRT+BTについては昨年のJAMA論文がEBRT+BTの優位性を確認している(http://doi.org/10.1001/jama.2018.0587)、術後にEBRTを追加した場合、両者は同程度の有効性を持つものと考えられる。この設定でのRCTは行われておらず、現時点では最良のエビデンスである。