遺伝性がんリスク者でのカスケードスクリーニング
Cascade Genetic Testing of Relatives for Hereditary Cancer Risk: Results of an Online Initiative
背景
カスケードスクリーニングは、病原性バリアントが同定された発端患者の近親者を対象にスクリーニングを行い、疾患予防戦略に役立てようとするものである。Stanford UniversityのCaswell-Jinらは、30種のがん関連遺伝子のキャリアまたはその第一度近親者(親・子・同胞)に対して、その第一度近親者に低コスト検査を提供するオンラインイニシアチブを実施した。
結論
初年度に1,101名の応募者が、2,280名の第一度近親者を遺伝子検査に招待した。このうち47.5%で遺伝子検査が行われ、48.1%で応募者と同一の病原性バリアント、4.9%では応募者とは異なる病原性バリアントを有し、16.8%は意義不明のバリアントを有した。陽性となった近親者のうち12.0%でさらにカスケードが継続した。
評価
想定通り半数の参加者で病原性バリアントが検出された。がんでは一般的ではないカスケードスクリーニングであるが、高リスク集団を効率的に絞り込むアプローチとして注目される。