担がん患者でのVTE予防、リバーロキサバンは?:CASSINI試験
Rivaroxaban for Thromboprophylaxis in High-Risk Ambulatory Patients with Cancer
背景
がん患者では静脈血栓塞栓症(VTE)リスクが上昇するが、高リスク患者でのVTE予防戦略に意義はあるか。Cleveland ClinicのKhoranaらは、VTEのないVTE高リスク担がん患者を、外来リバーロキサバンまたはプラセボに割り付けるランダム化比較試験を実施した(n=1,080)。
結論
180日目までの一次エンドポイント発生率は、リバーロキサバン群6.0%・プラセボ群8.8%(ハザード比0.66)で有意な差ではなかった。投与期間中での一次エンドポイント発生率は、それぞれ2.6%・6.4%とリバーロキサバンで有意に減少した(0.40)。重大出血はリバーロキサバン群の2.0%、プラセボ群の1.0%で生じた。
評価
先行したAVERT試験のアピキサバン(http://doi.org/10.1056/NEJMoa1814468)と比べるとやや歯切れの悪い結果であったが、総じて、高リスクがん患者での経口抗凝固薬による予防戦略は有効で安全と考えられる。