担がん患者でのVTE予防、リバーロキサバンは?:CASSINI試験
Rivaroxaban for Thromboprophylaxis in High-Risk Ambulatory Patients with Cancer

カテゴリー
がん
ジャーナル名
The New England Journal of Medicine
年月
February 2019
380
開始ページ
720

背景

がん患者では静脈血栓塞栓症(VTE)リスクが上昇するが、高リスク患者でのVTE予防戦略に意義はあるか。Cleveland ClinicのKhoranaらは、VTEのないVTE高リスク担がん患者を、外来リバーロキサバンまたはプラセボに割り付けるランダム化比較試験を実施した(n=1,080)。

結論

180日目までの一次エンドポイント発生率は、リバーロキサバン群6.0%・プラセボ群8.8%(ハザード比0.66)で有意な差ではなかった。投与期間中での一次エンドポイント発生率は、それぞれ2.6%・6.4%とリバーロキサバンで有意に減少した(0.40)。重大出血はリバーロキサバン群の2.0%、プラセボ群の1.0%で生じた。

評価

先行したAVERT試験のアピキサバン(http://doi.org/10.1056/NEJMoa1814468)と比べるとやや歯切れの悪い結果であったが、総じて、高リスクがん患者での経口抗凝固薬による予防戦略は有効で安全と考えられる。

関連するメディカルオンライン文献

大規模臨床試験、新規の薬・機器・手法・因子・メカニズムの発見に関する文献を主に取り上げ、原文の要約と専属医師のコメントを掲載。

(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(がん)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Journal of Clinical Oncology (JCO)、Journal of the National Cancer Institute(JNCI)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、Cancer Research (Cancer Res)