C型慢性肝炎でのDAA治療は死亡・肝がん発症を減らす
Clinical outcomes in patients with chronic hepatitis C after direct-acting antiviral treatment: a prospective cohort study
背景
C型慢性肝炎の治療は直接作用型抗ウイルス薬(DAA)の登場によって一変したが、リアルワールドでの臨床的効果に関する報告はまだわずかである。フランスSorbonne UniversiteのCarratらは、同国ANRS CO22 HEPATHERコホートの慢性HCV感染成人患者を対象として、DAAと全原因死亡・肝細胞がん・非代償性肝硬変との関連を調査した(n=10,166)。
結論
中央値33.4ヶ月中に7,344名がDAA治療を開始し、2,551名はDAA治療を受けなかった。各種の変数について調整後、DAAへの曝露は全原因死亡の減少(調整ハザード比0.48)、肝細胞がんの減少(0.66)と関連した。一方で非代償性肝硬変については関連はみられなかった(1.14)。
評価
これまでの研究の多くはウイルス学的奏効に焦点を当ててきたが、臨床アウトカムも改善する力があることを大規模なリアルワールド検証で示した。DAAは、すべてのC型慢性肝炎患者で考慮されるべきである。