担がん患者のVTE予防にアピキサバン:AVERT試験
Apixaban to Prevent Venous Thromboembolism in Patients with Cancer
背景
がん患者では静脈血栓塞栓症(VTE)のリスクが増加するが、抗凝固薬による予防戦略に意義はあるか。カナダUniversity of OttawaのCarrierらは、VTEリスクが中等度・高度(Khoranaスコアが2以上)で化学療法を受けるがん患者に、Xa因子阻害剤アピキサバンまたはプラセボを割り付け有効性・安全性を評価するランダム化比較試験を実施した(n=574)。
結論
VTE発生率は、アピキサバン群4.2%・プラセボ群10.2%であった(ハザード比0.41)。重大な出血エピソードはアピキサバン群の3.5%、プラセボ群の1.8%でみられた(2.00)。治療期間中に限れば、それぞれ2.1%・1.1%であった(1.89)。
評価
Xa因子阻害剤はHokusai VTE Cancer試験・Select-D試験において、VTEがん患者の再発予防で低分子量ヘパリンに劣らないことを証明している。高リスク患者での予防戦略においても、出血イベントとのトレードオフではあるが、VTE抑制効果を示した。リバーロキサバンでのCASSINI試験も同様の結果とみられる。