新規診断多発性骨髄腫におけるレナリドミド維持療法:Myeloma XI試験
Lenalidomide maintenance versus observation for patients with newly diagnosed multiple myeloma (Myeloma XI): a multicentre, open-label, randomised, phase 3 trial
背景
レナリドミドは、多発性骨髄腫(MM)患者における自家造血幹細胞移植後の維持療法として、複数のRCTで無増悪生存期間の延長を示している。イギリスNewcastle UniversityのJacksonらは、NHS病院110施設で実施された適応デザインによる第III相ランダム化比較試験Myeloma XIにおいて、試験プロトコル治療に反応した新規診断MM成人患者を、レナリドミド維持療法または経過観察に割り付けた(n=1,917)。
結論
フォローアップ期間中央値31ヶ月で、無増悪生存期間はレナリドミド群39ヶ月・経過観察群20ヶ月であった(ハザード比0.46)。事前指定サブグループ解析では、移植適格患者でレナリドミド維持療法による有意な3年生存率の上昇がみられた(ハザード比0.69)。また細胞遺伝学的リスクが、中・高・超高の患者でもレナリドミド群で生存率が高い傾向が見られたが、いずれも検出力が不十分であった。
評価
MMでは過去最大となる臨床試験で、先行3試験と同様(http://doi.org/10.1200/JCO.2017.72.6679)、OS効果は明確でなかったもののPFSイベントリスクは半減した。